FAQ & Guide
調査の基礎知識から事前対策・調査中・調査後の対応まで、
国税出身30年超の税理士が実務の観点から解説します。
税務調査とは、納税義務者の申告内容および納税状況について、税務当局がその適正性を検証するために実施する行政手続の一環です。この手続には、国税通則法第74条の2に基づく「実地の調査」(いわゆる任意調査)が含まれます。
「実地の調査」とは、税務職員が納税者の事業所・事務所・自宅等に赴き、帳簿書類・証憑資料・契約書類・取引先との関係資料などを直接確認することにより、申告内容の適否を実態に即して検証する手続です。
法人(法人税・消費税等)にとどまらず、個人事業主・フリーランス(所得税・消費税等)を含むすべての納税者が対象となります。また、国外取引を含む場合には移転価格税制や外国税額控除制度などが調査の焦点となることもあります。
原則として、実地調査の開始に先立ち、税務署長は「調査開始日時、場所、対象税目、対象期間、調査の趣旨」などを記載した事前通知書を納税者に交付する義務があります。
法定帳簿(仕訳帳、総勘定元帳、売上帳、仕入帳など)は原則7年間(青色申告取消事由等に該当する場合は10年間)の保存義務があります。証憑資料(請求書、領収書、納品書、契約書など)の整備も不可欠です。
申告是認率が低い法人は税務当局の注目度が高まります。特に以下の科目は調査対象となりやすい傾向があります。
税務署では業種ごとに特有の脱漏リスクや調査重点項目を設定しています。主要業種の注目ポイントは以下の通りです。
| 業種 | 調査で注目されやすい項目 |
|---|---|
| 飲食業 | 現金売上・棚卸資産の除外・架空人件費 |
| 建設業 | 外注費の実態、下請との契約書・支払調書の整備 |
| 医療業 | 医業未収入金の計上漏れ、院外処方との整合性 |
| 不動産業 | 譲渡所得の帰属年度、名義預金の有無 |
調査官との応対で交わされる質問・回答内容を調査メモ等で記録します。質問検査権(国税通則法第74条の2)には法令上の合理的範囲の制限があり、万一過剰な調査に遭遇した際には専門家を通じて是正を求めます。
場当たり的な説明や曖昧な回答は「仮装・隠ぺいの疑いあり」と判断され、重加算税(国税通則法第68条)の対象となる可能性があります。調査官の指摘に対しては、その場で即断せず、顧問税理士と相談する時間を確保します。
取引先・金融機関・従業員等への反面調査が実施される場合があります。調査官に対して、反面調査の必要性・方法についての説明を求めるとともに、取引先との関係悪化を回避するために実施方法に配慮を求めることができます。
指摘内容が事実と異なっていないかを慎重に確認します。調査官の誤認や論点の行き違いがある場合には、事実関係に基づいて説明・反論します。是正事項一覧表等の内容は可能な限り書面で記録に残すことが重要です。
調査官の指摘に全面的に同意せず、争点として継続して対応する判断も可能です。項目ごとにリスクの程度や税額影響を評価し、修正申告すべき項目と争点化すべき項目を切り分けます。
税務署からの更正処分や賦課決定処分に不服がある場合、審査請求・税務訴訟への対応も視野に入れます。法的根拠と事実に基づいた論理的な主張で、過度な是正指導や不要な重加算税の賦課を防ぎます。
初回相談(約30分)は無料です。通知を受けた直後のご連絡をお勧めします。
ご相談内容は守秘義務の範囲内で厳重に管理いたします。